発達障害の人は親や周りの人からどう接してほしいのか?
発達障害のある人への接し方について書いていきたいと思います。
私の場合は、発達障害ADHD及び広範性発達障害と診断されたのが2015年の事で、45歳の時でした。
それ以前は、先天的な発達障害だったのですが、発達障害などという言葉も概念も知らず、自分の性格のせいだと思っていました。
幼少期の時は私はどちらかというと自閉傾向が強く、「自閉症スペクトラム」の特性が顕著でした。もちろん何事にもだらしのないADHDの特性もありましたが。
このブログで何度も書いていますが、家に閉じこもって電車の絵ばかり書いていて友達のいない孤独な幼少期を過ごしてまいりました。
また、母親に依存していたので、少しでも母親が近くにいないとすぐに癇癪をおこしてぐずったり、パニックを起こして泣き叫んでいたそうです。
私が幼少時代によく母親から怒られた事
学校での自分の好きな教科は社会科で、そればかり勉強していて、嫌いっていか全く興味のなかった算数や理科については全く勉強しなかったため、いつも通信簿の成績は社会は「A」、算数や理科は「C」でした。(当時はA,B,Cの3段階評価)
また、片付けが苦手で、着ていた服は脱ぎ散らかし、部屋や学校の机の中は収拾がつかないくらいいつもぐちゃぐやで、他の人から見れば本当にだらしがないと映るでしょう。
自分でいうのもなんですが本当にいい加減でだらしがなかったと思います。 そんな私に対して母親はいつも私に怒鳴りつけていました。まるでのび太君のママみたいに
出典 今からでも遅くはない、厳しい「しつけ」は百害あって一利
何やってんだ!きちんと片付けろ!
全くだらしがない
なんで算数とかは勉強しないんだ?やればできるのに
今考えると親にとってみれば確かに自分の思い通りにならず、自分勝手でだらしのない息子に対して怒鳴りたく気持ちもわかります。
私が幼少期だったのは40年くらい前の話で、当時は発達障害などという概念もあまり知られず、私のような子供は単に「だらしがない」「努力が足りない」「やればできる」などと簡単に片づけられていました。
社会人になっても・・・ 社会人になっても、パチンコ癖が抜けなくて、パチンコで借金を100万円ほどつくった事があります。それが母親にばれてしまったのです。
バレてしまったあと、親が立て替えてくれて、仕事で得た給料を少しずつ親に返済していきました。
当時は金銭感覚がマヒしていて、パチンコで2~3万円くらいは使うのは平気だったのですが、いい年してパチンコをしていることが母親にばれると地獄でした。 母親は私に対して怒鳴りつけます。
「あれほどパチンコをやるなって言っているのに何でまたやるんだ!!」
「何回言っても分からない!!」
「出ていけ!!」
挙句の果てには 「どこかに行って死んで来い!!」 ひどい言われようです。
ところが当の本人からしてみれば、親の怒り・怒鳴りなど右から左です。早くこの嵐が収まらないかなあと我慢して母親の機嫌が直るのをひたすら待つだけです。
しかし、母親はしつこくていつまでも怒り続けています。そうなると私は逆ギレし、母親に対して怒鳴り返します。 「うるせーな わかったよ!」 「パチンコなんて二度とやらねーよ」 「もうわかったからもう怒るな!」
しかし、私は自閉傾向があるといっても、今でいう軽度のアスペルガー症候群なのでしょう。母親の言っている言葉の意味も理解できるし、自分が怒られているのかという意味も分かります。
母親からしてみたら、あくまで普通の人間の普通の常識で私の将来を思って怒っているのでしょう。
パチンコなんかしていたら、自分の金がなくなるだけでなく、借金に手を出し、膨れ上がって首が回らなくなり、自分で返せなくなり、更には借金の返済のために窃盗や強盗、強盗殺人などの重大な犯罪行為に及んでしまうという事を心配しての事でしょう。
しかし、母親はいったん怒り出すとなかなか収まりませんので、私は母親が怖くて仕方がありませんでした。 しかし、そんなに強く怒られていながら、自分でいうのもなんですが自閉症スペクトラム障害があると、普通の人が良くないと思う事でも正当化してしまうのです。
自分ではパチンコはストレス解消のためにやっているのであって、他の人に迷惑をかけているわけではない。「自分の金が増えたり減ったりするだけだ。」と。
母親の強い叱責も結局は意味もなく、ただ母親に対する恐怖心を植え付けられたにすぎません。 パチンコの持つ「運が良ければ簡単にお金が手に入る」魔力に取りつかれ、パチンコを止められませんでした。
今度は「いかにして母親に見つからずにパチンコをするか」というように行動するようになりました。ところがカンの鋭い母親は、私がパチンコをしていた事を嗅ぎ取り(タバコのにおいでわかるそう)そしてまた、母親に見つかりこっぴどく叱られるのです。
しかし、また同じように、母親の機嫌が直るまでひたすら我慢。怒られている内容はひたすら聞き流します。「あ~あ、また怒られた。早く機嫌がなおってくれないかな」 このブログを読んでいる方は「いい年した大人が何をやっているんだ」と思われるかもしれませんが、当時の私は自分の行動や欲望をコントロールがうまくできませんでした。
現在は、発達障害と診断されて、きちんと投薬治療も行っていますから、そうした衝動的な自己破滅型の行動はしなくなりましたが。
発達障害は脳機能障害 当事者の努力や親の叱責でどうにかなるものではない
自閉症スペクトラム障害がある人の全てがそうであるとはわかりませんが、私の場合、普通の人の常識では考えられない、非常識な「自分の世界・自己解釈」があったような気がします。
例えば学生時代にやっていたバイトを「かったるいから行きたくない」と勝手に無断欠勤したり、ゴルフ部の会合にわざと行かなかったり。
こうした自分勝手な自分の世界がありそれが顕著になると対人関係に重大な破綻を招くことになります。つまり誰からも相手にされなくなったり、信用されなくなります。
自閉症スペクトラム障害
自閉症スペクトラム障害というのは、アメリカの小児精神医レオ・カナーが提唱した「言葉の遅れ」「対人関係の障害」「こだわり行動」という行動特性を持つ障害の総称です。決して珍しくはありません。
高機能自閉症やアスペルガー症候群をこのカテゴリーに含めると全人口の2%はいるといわれています。 詳しい事はまだわかっていませんが、自閉症をはじめとする発達障害は先天的(生まれつき)の脳機能障害です。
したがって、当事者の努力しだいでなんとかなるものではなく、まして親や仕事先の上司や先輩から「努力が足りない」「だらしがない」「なんとかしろ」と言われても本人にとってはどうにもならないのです。
発達障害のある子どもへの親の強い責は意味がない
発達障害のある人への親の接し方についていうと親の厳しい叱責は子供にとって意味はない。逆効果である 私のように幼少期に怒られてばっかりいた人はどう育つのか?
子供が自分の思い描いている通りにならないと怒ったり、怒鳴ったりしたくなる気持ちもわかります。しかし、度をすぎると子供にとって良くはありません。
子育てというのは実に難しいと思うのですが、私の場合、子供はいませんので私の幼少期の経験談で書きますが、私にとっての幼少期は母親から怒鳴られたり、怒られたりした記憶しかありません。ただ、母親に対する恐怖心が植え付けられただけです。
発達障害のある人への親の接し方
親が子供に対して怒鳴り散らすのは、身体的に暴力をふるうのと同じだと思います。ものすごい精神的ダメージを与えます。ただ私の場合は、怒られ慣れしてしまって母親が起こっている話の内容をまともに聞いていませんでしたが。
どんな子供でも、親は絶対的な存在です。逆らえません。親に嫌われたくないという気持ちが働きます。おそらくどんな子供でも親から怒られているときはおとなしく聞いているでしょう。
しかし、おとなしく見えていても実は萎縮しているのです。 怒られることや怒鳴られる事が日常的に続くと子供はどうなるか?子供はいつ親に怒られるか、怒鳴られるかびくびくしながら毎日を過ごすことになります。
こうなると、親だけではなく周りの全ての人に対して顔色を窺うようになります。そして自分が何事にも自信がなくなる。つまり自己肯定の弱い人間になってしまう恐れがあります。 日常的に親から怒鳴られるのが子供にとって精神的によくないというのは全ての子供に共通して言える事です。
これは発達障害の特性をもたない健常者の子供も同じです。まして、行動や欲望の自己コントロールが難しい発達障害のある子どもに対してはなおさらです。
発達障害のある子どもは、親から怒鳴られたり、怒られたりしなくてもただでさえ自己肯定感に乏しいのですから。
まとめ
発達障害のある人への接し方はどうしたらよいか。この記事では発達障害のある子どもに対する親の接し方についてまとめました。
- 発達障害のある人は自己肯定感に乏しい
- 発達障害のある子どもに対しての強い叱責は意味がない
- 発達障害のある子どもに対してはある程度のあきらめも必要
- 発達障害のある子どもに対してはダメなところを叱るよりも良い点を見つけて褒めるようにする
発達障害のある人(特に子供)への接し方を間違うとその子の人生に多大な影響を及ぼします。
私の親は私を育ててくれた事に感謝はしていますが、私を怒鳴りつけたりして、いまだにそれがトラウマになっていますし、自己肯定感が低いままになっています。
どうか、発達障害のある人への接し方には十分と気を付けて頂きたいと思います。
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