ADHDはリーダーになれるのか?ADHDに秘めたリーダーの素質とは

ADHDと仕事

ADHDはリーダーになれるのか?

ADHDはリーダーになれるのか?ADHDに秘めたリーダーの素質とは?

この記事は、発達障害を持っている方が発達障害だという事で、人生をあきらめたり、自暴自棄にならないようにして欲しいという願いをもって書いています。

ADHDっていうと、不注意だったり、同時にいろいろな仕事が出来なかったりして、社会人不適格という烙印を押されて、会社で干されり、仕事が嫌になって自分から辞めてしまったり、最悪の場合は会社を解雇されてしまって不幸な人生を送っていませんか?

でも、早い段階で、自分がADHDだという事が分かれば、自分で意識して行動を変えてみたり、精神科や心療内科を受診してストラテラやコンサータを処方してもらいそれを服用することによってADHDのマイナスの特性をいくらかか軽減する事が出来ます。

ADHDのある人は、深刻な場合、なんらかの依存症やうつ病やパニック障害などの二次障害を起こしてしまって就労や家庭生活に支障をきたす人もいますが、軽度の場合、大抵はエネルギッシュで体力もあります。私にADHDでありながら、タバコが止められないなど物質的依存症がありますが、心身面で割と元気です。

ADHDのある人は、仕事がなかなか見つからなかったり仕事がうまくできず困っている人が多いと多いと思いますが、中には、自分の特性をよく理解した上で、ADHDの持てる長所を大いに発揮して組織のリーダーとして頑張っている人もいます。

私の主観ですが、私は現在、特例子会社で働いていて、ひょっとしたら私のようなADHDもリーダーになれるのではないか、それだけでなくADHDにもリーダーとしての素質が秘められているのではないかと思うようになりました。

リーダーの条件

黙っていても人がついてくる リーダーの条件

リーダーになる条件は「即決・即断」が出来る人

ADHDは衝動性があるが、それは「即決・決断力」だった

以下の表はADHDの特性を表したものです。

障害特性 マイナスイメージ プラスイメージ
不注意 ①様々な刺激に気を取られる
②考え事をしてしまい集中できずミスが多くなる。
③焦りでパニックになる。
④忘れやすい。
①様々な事への興味関心を示すことが出来る。
②根に持たない、後腐れがない。

多動
多弁
①自分話の要点を掴めず、内容が婉曲でわかりずらい。
②ジッとしていられない。集中できない。
話が好き。人が好き。社交的。
コミュニケーション力が凄い。
衝動性 ①作業指示をよく理解せず先走って作業を始めてしまう。
②相手の話を最後まで聞かず、話始める。
③先走って行動してしまう。
④マニュアル通りを嫌う
①仕事が楽になる工夫を行うことが出来る。
②発想が豊かで好奇心が旺盛。
③判断力、実行力がある。
④自ら創意工夫する。
マルチタスクが
苦手
①優先順位が分からない。
②作業プランが立てられない
③納期が守れない。
④好きな事、やりやすいものから作業を始めてしまう。
マルチタスク管理表などのツールを運用すればマルチタスクに対応できる。
過集中 興味関心を持った業務にのめりこむ。 好きな事は集中して素晴らしい成果を上げる。
短期記憶障害 ①一つの事に集中していると他の事は頭に入らなくなり記憶が定着しない。
②なくしもの・忘れ物が多い
嫌なことはすぐに忘れる。

衝動性

ここで注目していただきたいのがADHDには衝動性があるということ。

私なんかは作業指示をよく確認せず先走って作業を始めてしまう、相手の話を最後まで聞かず、話を始めてしまう、というようないわゆる先走りがありますが、なにより直観力やひらめき力に優れ、日々の仕事で「どうすれば仕事が楽に、効率的に出来るだろうか」と常に考え、日々の作業経験の蓄積から仕事が楽になる工夫を考えたり行うことが出来足りします。

ADHDの衝動性は、「発想が豊かで、好奇心が旺盛で、考えた事をすぐに決断し実行できる」とプラスに考えることもできます。このADHDならではの「発想が豊かで、好奇心が旺盛で、考えた事をすぐに決断し実行できる」はリーダーとしての不可欠な要素であると思いますし、そういう要素を持っているADHDはリーダーとしての素質は十分にあると思います。

ADHDの代表的な特性である不注意も、一つの事だけにこだわらないで様々な事への興味関心を示すことが出来ると言い換える事が出来ますし、ジッとしていられない多動性も、しゃべりだすと止まらない多弁性も、言い換えれば「話が好き。人が好き。社交的。コミュニケーション力が凄い。」という事になり、仕事において部下や上司とコミュニケーションを行い、グループやチームを上手く統率していくリーダーとしての欠かせない素質となります。

ADHDでお悩みの方へ 恐れずにリーダーになることへチャレンジしよう!

現代社会ではリーダーになれない人は経済的な不利益をこうむりやすいのではないかと思います。

どこの会社でもそうだと思いますが、仕事で経験を積み、経験をもとに部下や後輩を指導することが出来て、グループをまとめてリーダーシップを発揮できる人が平社員から主任、係長、課長、部長、重役へと出世する道が開かれています。

リーダーシップを発揮でき、出世する人ほど、高収入が約束されます。

残念ながら、リーダーシップを発揮できない人はいつまでたってもいわゆるワーカーにとどまり、リーダーの指揮下に置かれ、リーダーに従わなければならない事になり、給料などの待遇面で冷遇されます。

ADHD脳というのは、贅沢わがままな脳です。

単純作業をしていると、それが自分にとって興味のない内容だったら途端に眠くなって意識が飛んでくるし、かといっていろいろな事をやろうとするとワーキングメモリの不足によって自分のやることの優先順位が分からなくなって次第に混乱してきます。

ただいつまでもワーカーとして上司の命令・指揮下に置かれ、指示された仕事をもくもくとこなすだけなんてADHD脳にとってなんてつまらないと思いませんか?

仕事でリーダーを任されたら、責任は増えるかもしれませんし、マルチタスクを管理する事が必要になってきます。しかし、単純作業が大の苦手で刺激を求めるADHDは考えなければならない事が多いリーダーとしての役割が脳にいい刺激があって、仕事への責任感が増えて収入も増えていく。いいことづくめです。

リーダーの役割

リーダーに求められる役割
  1. 自分だけではなくグループ全体の仕事の進捗を管理する事
  2. 部下や後輩を指導・育成する事
  3. チームやグループの目標を設定する事 when・who・Why・how・What
目標設定方法
  1. いつまで?(納期の設定)
  2. だれが?(メンバーの選定)
  3.     

  4. なぜ?(その仕事をやる意味 動機付け)
  5. いくらで?(予算の設定)
  6. 何を?(共有意識を持たせる)

リーダーはこの仕事はいくらの予算が必要かとか、納期に間に合わせるにはワーカーが何人必要か?メンバーに気持ちよく仕事をしてもらうために配慮も必要ですし、OJTを通じて後輩や部下を育成もなければなりません。

仕事というのは、職種によって違いがあるとは思いますが、単純作業っていうか基本業務の積み重ねです。>リーダーシップを取れるようになるにはある程度の経験が必要です。

ところがADHDがあると、リーダーになれる経験を積むことなく、会社を去っていきます。

その原因としてADHDのある人は、不注意でミスをおこしやす位です。その頻度は普通の人では考えられないほどです。普通の人なら1カ月に1回、あるいは半年に1回といったところでしょうか?ところがADHDは1日に2回とか3回です。

そのミスが原因で仕事を首になったり、自分から辞めたりします。

しかし、仕事でミスしないような工夫をしたりして、やめないで乗り越えたら、基本業務だけでは飽き足りなくなり日ごろの業務で良くない点や改善したい点などが頭に直感として浮かんできたりします。そうなるとリーダーへの第一歩です。

以下の表はADHDである私が実践、あるいはこれから実践しようとしているADHDの障害特性をカバーする自己工夫です

下のADHDのマイナスの特性をカバーする自己工夫というのは通っていた就労移行支援事業所での訓練で学んだものです。これを現在働いている特例子会社でも継続していきたいと思っています。

障害特性 自己対策
不注意 ①作業リストの見える化
(視覚訴求、衝立の使用)
②入力業務などを行う時は記憶に頼らないで作業リストやマニュアル、見本を一つづつ確認しながら確実に作業していく
③必ずセルフチェックを行う。
多動
多弁
①物事を要約する習慣を身に着ける。
②作業の意味を考え、興味・関心を示し集中する。
衝動性 ①作業内容の早期確認、こまめな報連相、定期報告
②空気を読み適切な発言をするように心がける。
マルチタスクが
苦手
①タスク管理表の作成・運用
(納期・優先順位明記)
②見える化(視覚訴求)
③作業手順書の作成・運用
過集中 適度な休憩を取る。
短期記憶障害 ①メモの徹底活用、復唱の徹底
タスク管理表の確認。
②定物定位置管理を行う。

ADHDのある人は、特有の行動力、度胸の良さ、常識にとらわれない発想力、好きな事・興味関心のあることへのものすごい集中力があります。どれもリーダーとしての素質として欠かせないものです。

これらは私自信も自覚しております。

私は、ミスが多く、マルチタスクが苦手で仕事がうまくいかなかったので、この自己工夫をしてみて現在の仕事に活かそうと思います。

adhdはリーダーになれるのか?リーダーの素質とは?まとめ

現在通っている特例子会社では、「キャリアアップ制度」というのを導入していて、障害を持っている人(知的・精神・発達)と健常者の区別なくリーダー・管理職になれる制度があります。

仕事はデータ入力や軽作業など単純なものが多いですが、パソコンに入力しなければならないデータも軽作業も種類がかなり多く、それぞれ種類ごとにグループやチームを組んで作業をしています。

それぞれのチームにサブリーダーがいて、作業の進捗状況や作業手順の組み立て、後輩や部下への指導(OJT)を行っています。

その上に、データ入力全体、軽作業全体を管理するリーダーがいます。経験を積みワーカーからサブリーダー、リーダーへ昇格する度に報酬が増えていきます。

ワーカーであれば、サブリーダーやリーダーの指揮命令を忠実に守り確実な業務をしていけばなんの問題もありませんが、せっかく特有の行動力、度胸の良さ、常識にとらわれない発想力、好きな事・興味関心のあることへのものすごい集中力のあるADHDとして生まれてきたのですから、これを活かさないのはもったいないです。

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