怒りをしずめ人間関係を良好に保つ方法
できれば「怒る」という感情はないほうがいいですよね。怒りを収める方法があります。それは「アンガーマネジメント」といいます。
この記事ではなぜ怒りという感情が出てくるのか、怒りを鎮める「アンガーマネジメント」はどのようにすればいいのか、実際に私が怒りの感情をしずめた方法について書いてみたいと思います。
珍しく怒りの感情が・・・
先日、普段温厚な私が珍しく腹立たしく怒りの感情が芽生えた事があった。
母は要介護3。老いとともに身体が衰え歩いたり立つこともままならずすぐに転倒してしまう。
2歳下の弟から「母はどんな感じだい?」と珍しくラインがあった。弟から母の様子をうかがう連絡はめったにない。最近の様子を弟のラインに返答すると、その翌日に弟から電話があった。
弟に今は整形外科の病棟に入院しているが、リハビリも進みもうすぐ退院できそうなこと、退院後の生活能力を上げるために更に老人保健施設にリハビリのために転院する予定だと電話で伝えた。
うちは一軒家だが1階ではなく2階にキッチンがあり、一階に母の部屋がある。足腰が弱ってうまく歩けない。階段で2階と1階を行き来するのは危険だ。降りる時に転落してしまうかもしれない。
弟から、1階の母の部屋に冷蔵庫や電子レンジを置いたらどうかとの提案があった。そのための購入費用は自分が出すからと言ってくれた。
そこまではよかったのだが、その後のやり取りに怒りが芽生えた。
私「そんなお金を出すなんて大変じゃないの?」
弟「大丈夫だよ。金はあるから。君はそんな買い物できないだろ。給料安いし。親の財産を食いつぶしていくしかないんだから」
マウントする弟
兄貴の事を「君」とはなんだ。「親の財産を食いつぶしていくしかない」とはどういう意味だ?
弟は幼い時からやんちゃで不良。高校生の時バンド活動していて、学校でタバコを吸って親が学校から呼び出された事があったらしい。
お互い社会人になり兄弟間の交流が希薄になり弟の動向がしばらく分からなかったが、いつの間にか結婚して子供を2人作り、仕事の方も転職を何回かしたらしいが、いつのまにか出世して今ではどこかの通信販売を専業とする製薬会社の部長か役員を勤めているらしい。母の話によると月収50万円くらいもらっているらしい。
確かに、父の死で自宅を相続して私の財産にはなっているが弟に比べて給料ははるかに少ない。私が社会人になって仕事がうまくいかずに何度も解雇や転職を繰り返している事を弟は知っている。
私が障害者雇用で働いているのを知っているのかは知っているのか分からないけど。
今回の弟の言動から感じられたのは「兄貴は親から財産をもらったけど、給料安いだろ。それに比べて俺は高い給料もらっているよ。すげえだろ。」と人を上から見下すいわゆるマウンティングだ。
弟は仕事や家庭に恵まれているとは思うが、自分の親の事には無関心だ。
父が亡くなった時だって介護や葬儀の手続きをしたのは私だし、母の要介護の申請をしたり母に代わって買い物に行ったり料理を作ったり、今回の怪我で入院の手続きをしたり。次第に体力が落ちてきている母の面倒を見ているのは私だ。長男で同居しているので仕方がないのかもしれないが。
「親の事は頼むよ」正月などたまに弟と会うたびに言われるのがこの言葉だ。
何が「親の事は頼むよ」だよ。お前も親から見たら息子だろ。息子なんだから親の老いに関心を寄せるべきだ。
いつもの事だが弟からこのような見下された態度を取られるたびにイラっとして怒りが湧いてくる。
弟め えらそうな態度を取りやがって!!!
怒りとは
怒りとは、自分や家族、愛する人の身を守るために自然に備わっている感情です。大切にしているものが傷つけられり、自分の思い通りにならなかったりすると、怒りという感情で守ろうとするのです。
しかし、「怒り」には多くのデメリットがあります。
イライラしたり、感情に任せて怒りをストレートに表現すると、人間関係を壊します。イライラした感情を抱き続けると多くの人は集中力を欠き、冷静な判断が出来なくなります。
「なんでこんな事もできないんだ」などと怒鳴ったり、「なんでこんな事になってしまったんだろう」などと自分を責めたりもします。でもどんなにイライラしても解決策は生まれずどんどん時間が過ぎていきます。人間には怒りをコンロトロールするスキルが必要です。
人間にはそれぞれ「〇〇すべき」「〇〇は〇〇でなければならない」というこだわりや価値観、理想を持っています。それが裏切られた時に、それまであった不安、心配、自己否定、辛さ、悲しさといったマイナス感情が一気に噴き出します。
私が弟に対して怒りを覚えたのは社会的には成功している弟に対するコンプレックスと「息子なんだから親の面倒を見るべきなのに全然してくれない」という裏切られた気持ちがあったかもしれない。
怒りに対処するテクニック アンガーマネジメント
それでは怒りをコントロールするにはどのようにしたらいいのでしょうか。「アンガーマネージメント」という本には次のようなポイントが書かれています。
- 心が落ち着く言葉を言い聞かせる
- 思考を止める(ストップシンキング)、深呼吸する
- 怒りを記録する(アンガーログ)
- 成功体験を記録する
- ○○するべきという価値観を捨てる
- 自分では変えられないこと、コントロールできない事に対して怒らない
このうち私が重要視したいのは最後の3つです。
自尊感情が低く自分を自己否定ばかりしている人は、自分の弱さを守るために誰かに攻撃的な怒りをぶつけてしまうケースが多くみられるそうです。
自分に自信をつけ自分自身を認められるようになれば、人に怒ったり攻撃する事も減ってきます。出来た事、得意な事、成功体験を記録する事が自己認識を高める良い方法なのだそうです。
あと、「○○は○○でなければならない」というこだわりが強ければ強いほど、それが裏切られた時の怒りが生まれやすくなるのだそうです。
自分の中にどんなこだわりがあってそれがどこまで許されるのか書き出す事で洗い出す事ができます。少しずつ許容範囲を広げていくことでストレスが減り、怒りの沸点を低く抑える事が出来るのです。
アンガーマネジメント まとめ
私は弟から電話であのような言動を受けたとき、瞬間的に怒りの感情が芽生えましたが、すぐに冷静さを取り戻しました。あの時喧嘩にならなくて良かったです。それは次のような理由です。
- 弟には家族があり妻、子供を養わなければならない。親の事は自分が面倒を見ればいい。弟に対して息子だから親の面倒を見なければならないというこだわりを持つのはやめようと思う事にした。
- 弟が私を見下しているのは幼少期から見ている私の性格・言動(弟から見てだらしない)であって過去は変えられないし、弟の性格も変えられない。これから見下されないように頑張ればいい。
- 親が入院して不在なので今まで親に頼って来た家事や金銭管理が自分でできるようになり自己肯定感が上がった。
「○○は○○すべき」というこだわりを捨てることで少し自分が楽になり自分が許せる範囲が広がりました。また、自分自身の努力で自己肯定感が上がったのがよかったとおもいます。
読者の皆様、アンガーマネジメントを身に着け周りの人との良い関係を築くことを願っています。
コメント